今の時期って、夏の終わりと秋の始めが混在していて、朝と晩あるいは日によって、季節が違う感じがします。夏の間、あれだけ華やかに咲いていた赤やピンクのサルスベリの花が、少しずつ花の数を減らしています。

夏の間の明け方、いつもセミの鳴き声で目覚めたのに、今はまったく姿を消し、静かな朝を迎えています。でもこの前、山の近くにあるお墓にお参りに行ったら、まだツクツクボウシがたくさん鳴いていました。他のセミ達に比べ、遅くこの世に生まれて来たけど、自分の使命を果たすかのごとく一生懸命鳴き続けていました。

他の木々は、まだ緑が美しいのに、桜の葉はところどころ黄色くなり、風と共に落葉し始めています。桜は春の合間を縫って一斉に咲き誇ります。その瞬発力には、大きなパワーがいるはずです。だから桜は、まだ他の木が夏の終わりをゆっくり楽しんでいるのに、どの木よりも早く落葉の準備をしているのでしょうか・・・桜の花のいさぎよさと華やかさの陰で、何が起こっているのでしょう。自然の力は、偉大です。そして、見えないところで、確実に次の季節への移行が進んでいるのでしょうね。