神戸へ向うバスの中で、知り合いのおばさんに会いました。おばさんは現在一人暮らし。2年前まで、10歳以上年上のご主人の介護をされていました。今はそのご主人も亡くなり、子供もいないので一人静かに暮らしています家お年は70過ぎかな?

実はご主人は再婚で、前の奥さんとの間に子供さんがいます。でも子供さんは遠く離れた所にいるので、おばさんは最後まで、ほとんど自分だけでご主人の面倒を見ていました汗ご主人がいらっしゃる頃は、よく車椅子を押して散歩されている姿を何度も見たことがあります。人のウワサ話など余分なことは一切言わず、黙々とお世話をされていました。

「大変ですね~」と声をかけても、「そんなことないのよ。デイサービスも利用しているし、たしたことしてないのよ」いつも笑顔でそう話していました笑いその姿に誰もが「なかなか、あそこまでお世話できないね~」と関心していました。

そのおばさんが、バスの中で珍しく自分の身の上話をしてくれました。実は九州で生まれたこと。小さい頃父親の仕事の関係で、満州で暮らし、戦時中日本に引き揚げてくるのが大変だったこと。若い頃から、あちこちで働いたこと。寡黙なおばさんが今まで辿った人生を淡々と語ってくれましたメモ

定年まで一生懸命働いて、ご主人を見送って・・・そして今、故郷から遠く離れた淡路島で一人暮らしているのです。もう故郷には身内も残っていないようです。

そのおばさんが、バスを降りる頃になって、ポツリとつぶやきました流れ星「最近毎日、いつ老人ホームに入ろうか?と考えているのよ」
ほとんど病気もせず、いつも元気なおばさんです・・・なのに、そんなことを考えていたのですね・・・

「おばさんなら、元気だしまだまだ大丈夫。」とっさにそんな言葉しか出てきませんでした。

愕然としましたロケット一人だと不安だから?誰にも迷惑かけたくないから?何で老人ホームなのか、結局聞けなかったのですが、複雑な思いを感じました。最近老人ホームが身近になったとはいえ、まだちょっと抵抗を感じている私です。

でも人事ではありません。20年後の私の姿かもしれないと思いました。一人で生きていくことには、充分覚悟と責任を持っていたつもりですが、老いていくことをまだ遠いことのように思っていました雲

おばさんの言葉には、実感がこもっていました。それは避けようのない現実です。嫌でもいつかは向き合わなければならない現実です。

家族を持たず一人で生きていくことは、しがらみもなく自由です。元気なうちはいいけれど、人はだんだん老いてゆくのです。その時人生最後の責任をどうやって取っていくのか?その質問を突きつけられた気がしましたメガホン

答えをはるか彼方に追いやりたいのですが、一度ちゃんと考えておく必要があるかもしれません。と言っても、人はいつ人生の幕を閉じるのか誰も知りませんよね幽霊私の命も20年後にあるかどうか・・・

それでも、自分の人生だから、できることなら最後までいさぎよく責任を取りたいと願っていますOK