「グーグーだって猫である」小泉今日子主演の話題の映画を見てきました。漫画家・大島弓子の原作!!猫のお話!!もうそれだけで、感激。。。でも世間では賛否両論らしいですね。私は、やっぱり良かったです
あまり漫画を見ない私ですが、大島弓子さんだけは特別です。漫画を越えた詩的で哲学的な内容。時々ハッとするほど深い人生を考えさせてくれるのです。思い出の中で大きな存在感を放っていました
サバという飼い猫を亡くした麻子さん(漫画家)が主人公です。まるで大島弓子本人?サバを亡くした悲しみを、グーグーという子猫を飼うことによって少しずつ癒されていく日々。麻子さんを手伝うアシスタント達に優しく見守られ、麻子さんはだんだん元気を取り戻していく。そんな温かな日常が描かれています
だから、じんわりと温かい映画というイメージがあるのですが、私には「孤独」を感じさせる映画でした。映画が終わり、ひとり元町駅へと急いでいる時のこと。たくさんの人がこちらに向って歩いて来ます。いつも見慣れた雑踏の中で、ふいに涙がこぼれそうになりました
しみじみ麻子さんの孤独を思いました。ガンを患い、たった独りで病院のベッドにうずくまりながら、サバの夢を見ていた麻子さん・・・サバと静かに優しくお別れをした麻子さん。麻子さんがつらい時も悲しい時も、そっと寄り添ってくれたサバ。猫だけど、家族のような存在
仕事を持ち、懸命にひとりで頑張ってきた麻子さんです。それが、悲しいとか寂しいとか、暗いというのではない。孤独を選んで、凛と生きている。たとえひとりで病と向き合うことになっても、孤独を抱きしめながら、これからも淡々と生きていくのでしょう。さり気なく見守ってくれる人たちやグーグーに支えられながら。ただそれだけのことです
私もつい最近、飼い猫を病気で亡くしました。私もひとり。。。麻子さんの姿と自分の姿が思わず重なりました。
最後に、なぜ「グーグー」という変わった名前をつけたのか?がわかってエンディングでした
そうだ。私にも、私の帰りを待っていてくれる猫がいる。グーグーほど美猫じゃないけど。早くお家に帰ろうっと。こぼれそうになった涙を指でぬぐいながら、家路を急ぎました